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音楽とお酒と歴史探索が趣味です。色々書きなぐってます。
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  プロフィール
HN:
赤澤 舞
性別:
女性
職業:
飲食店店員
趣味:
お菓子作ったりピアノ弾いたり本読んだり絵描いたり
自己紹介:
東京・神奈川・埼玉あたりでちょこまか歌 を歌っております。

一応声種はソプラノらしいですが、自分は あんまりこだわってません(笑) 要望があればメッツォもアルトもやりま すヽ(^。^)丿

音楽とお酒と猫を愛してます(*´▽`*) 美味しいものには目がありません。

レトロゲームや特撮も好物です。

ヴァイオリンは好きだけど弾けませんorz
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2025/05/14 (Wed)
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2014/04/16 (Wed)
どうもこんにちは!

色々忙しなく動き回っている今日この頃です。

7月27日(日)にヴェルディ作曲のオペラ『マクベス』の侍女役で出演が決まっておりまして、絶賛譜読み中です。

まだお稽古始まってないので、妄想し放題です\(^o^)/


そんなわけで本日はマクベスについての小話。
マクベスは、ウィリアム・シェイクスピア(
1564~1616)作の戯曲です。実在したマクベス王(1005~1057、在位1040~1057)を題材にしています。
「リア王」「オセロ」「ハムレット」と、この「マクベス」が所謂四大悲劇とされております。

お話の流れとしては…

【1幕】
スコットランド軍の将軍であるマクベスが、同じく将軍のバンクォーと共に戦いから帰る途中、森の中で魔女たちに出会います。
彼女らは
「マクベスがコーダの領主になる」
「マクベスがスコットランドの王になる」
「バンクォーの息子がいずれ王になる」

と予言をして消えます。
するとタイミング良く伝令がやって来て、『コーダの領主が斬首され、次の領主にマクベスが任命された』と伝えたので、マクベスは予言は本物だと慄きます。
マクベスからの手紙でこのことを知ったマクベス夫人は、夫を出世させるためになんとしてでも予言を実現させようと、現国王の殺害を画策します。妻と共にダンカン王を殺害したマクベスは目論みどおり王になりますが、今度は自分の王位を脅かす「バンクォーの息子が王になる」という予言に怯えるようになります。

【2幕】
マクベスは、遂に友人であったバンクォーも殺してしまいます。しかし予言にあった、バンクォーの息子は取り逃がしてしまいました。

国王即位祝いの席で、マクベスはバンクォーの幻影に悩まされます。マクベスの悪事を悟ったスコットランド貴族のマクダフは、スコットランドからの亡命を決意します。

【3幕】
自らの地位を守りたいマクベスは再び魔女たちの元を訪れます。そこで
「マクダフには注意しろ」
「女から生まれたものはお前を傷つけない」
「バーナムの森が動かない限りお前は負けることはない」
「やはりバンクォーの子孫が王位に就く」

という予言を受けます。
これを受けてマクベスとマクベス夫人は、王位を脅かす者たち全てを葬り去ることを決意します。

【4幕】
スコットランドとイングランドの国境近くに、スコットランド難民が流れ着いていました。マクダフもその中にいました。彼はあのあとマクベスに妻と息子たちを殺され、ひとり逃げてきたのでした。

すると、そこにイングランド兵を引き連れたマルコム(ダンカン王の息子)が現れます。彼はイングランドに亡命し、父を殺し祖国を乗っ取ったマクベスへの復讐の機会を窺っていたのでした。
彼らは共に戦うことにし、バーナムの森の木々で体を隠してスコットランドに攻め入ります。

一方マクベス城にて、マクベス夫人が狂ったように手を洗っています。手についた血が落ちないという幻覚に悩まされていたのです。
側で見守る侍女と医者は、彼女の狂気に恐れおののきます。
ついに夫人が狂い死にし、侍女がその知らせをマクベスに伝えますが、マクベスは「とるに足らないことだ」と無感情に答えます。王位についていた17年の間に、彼もすっかり狂ってしまっていました。

そこに兵士たちが「バーナムの森が動いている」と慌ててやってきます。木々で体を隠したイングランド軍でした。
仰天したマクベスはすぐ剣をとり、戦いに向かいます。戦いの中でマクダフと一騎討ちになった際「自分は女から生まれたのでなく腹を裂いて取り出された」と打ち明けられ、予言の枠には入らないことを知ったマクベスは愕然とします。
そして戦いの末マクベスは敗れ、マルコムがスコットランド王になってめでたしめでたし!

………………とまぁ、こんなお話なんですけどもね、細かく見はじめると本当に本当に深くて人間くさいお話です。
原作が約400年前の作品ですけども、そして舞台は1000年前ですけども、人間ってどの時代も大して変わらないな、と改めて思いますね。

今回私は「マクベス夫人の侍女」という、人物としての名前もない役でアリアも無いですけれども、今までの役で一番好きかもしれません。

スコアを見ると、侍女はマクベス夫人の旋律にハモるか、同じ音を歌うかしています。
夫人のアリア・独白・マクベスと夫人の二重唱のところは別にしても、ほぼ全ての重唱シーンで侍女はマクベス夫人に寄り添っています。


侍女という仕事の性質上、彼女はきっとレディ・マクベスに一番近い人間だったのでしょう。もしかしたら、夫のマクベスよりも距離は近かったかもしれません。

王候貴族たちが使用人を使うようになったのはちょうど中世あたりで、現在のメイドの初期の形が現れだしたのがマクベスの時代に当てはまります。
使用人には大きく分けて2種類あり、「良家の子女が貴族としての作法や習慣を学ぶためになる」場合と、「下層階級の人々が安定した生活を求めてなる」場合がありました。

前者はもっぱら小間使いとして使われ、後者は家事雑用全般を任されます。そして後者は過酷な扱いを受けることが多かったそうです。

マクベス夫人の侍女は恐らく前者のタイプで、尚且つ「マクベス夫人の」と付いているあたり多分マクベス夫人の第一侍女だと思われます。そうでなきゃ、夫人と一緒にマクベスの国王就任パーティに参加出来ないだろうし。

専属の小間使いは基本的に主人のそばにいつも控えていてお着せや細々した雑務を請け負いますから、必然的に距離は近くなるはずなんですわ。
すごく仲良しな例は『フィガロの結婚』の、スザンナと伯爵夫人みたいな関係ですね。

そんなわけだから、彼女はマクベス夫人が段々と狂っていく様を一番近くで見ていて、狂い死ぬ瞬間まで側にいて看取ったということです。

彼女の最後のセリフ「E morta la Regina!…」(お亡くなりになりました、王妃さまが!…)は、本当にどんな思いで叫んだだろうか、と思いますね。
本来一使用人ごときが、主人の夫とはいえスコットランド王の前にアポなしで現れるなんて許されないことです。
緊急時でさえ格式を守らねばならない王室において、それを破ってまでもマクベスに夫人の死を伝えたかったのでしょう。

その理由を考え出したらこれまた泣けるんですよねぇ…。


この悲劇はマクベスというひとりの男が、魔女の予言に踊らされて罪を重ね、罪悪感で心を病んで疑心暗鬼になり、恐怖政治に走り復讐の刃に倒れる、という物語ですが、元々マクベスは小心なところもある程の「平凡な」軍人でした。
夫人はそんなマクベスが大好きだったんでしょうねぇ。夫の野心を手紙で知った夫人は
「彼は権力者になるには気が弱すぎる」と心配して、「彼を王にするためになんでもしよう」と決意します。
マクベスがダンカン王を殺すときに土壇場で尻込みしたときも、宴で錯乱したときも、全力でフォローしています。「鬼嫁」だの「悪女」だのと言われてしまうこともありますが、彼女はただ夫の望みを叶えようとしただけです。

しかしそれ書き出しちゃうと文字数限界になるので、数回に分けることにします(^_^;)
あと3か月、じっくりシェイクスピア読み込みますよ~ヽ(^。^)ノ

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無題
(´ω`)読みいった
もんきち商店 2014/06/08(Sun)11:52:39 編集
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* ILLUSTRATION BY nyao *