プロフィール
HN:
赤澤 舞
性別:
女性
職業:
飲食店店員
趣味:
お菓子作ったりピアノ弾いたり本読んだり絵描いたり
自己紹介:
東京・神奈川・埼玉あたりでちょこまか歌 を歌っております。
一応声種はソプラノらしいですが、自分は あんまりこだわってません(笑) 要望があればメッツォもアルトもやりま すヽ(^。^)丿
音楽とお酒と猫を愛してます(*´▽`*) 美味しいものには目がありません。
レトロゲームや特撮も好物です。
ヴァイオリンは好きだけど弾けませんorz
一応声種はソプラノらしいですが、自分は あんまりこだわってません(笑) 要望があればメッツォもアルトもやりま すヽ(^。^)丿
音楽とお酒と猫を愛してます(*´▽`*) 美味しいものには目がありません。
レトロゲームや特撮も好物です。
ヴァイオリンは好きだけど弾けませんorz
最新記事
(07/10)
(02/28)
(01/11)
(09/20)
(09/12)
P R
2015/07/23 (Thu)
懲りずに続きました。
※この記事の内容は、キリスト教徒でもユダヤ教徒でもイスラム教徒でもプロの考古学者でもないただの一般日本人が、聖書を読んで楽しんでいるだけです。
気になったことは本を読んだりネットで情報を拾ったりしていますが、あくまで一般人が手に入れられる範囲です。
多大なる妄想を含んでいます。本気にしないでください。
そんなわけで前回の続きからいきます。
○第五章
これはアダムの歴史の記録です。
アダム(享年930歳)
↓
セツ(享年912歳)
↓
エノシュ(享年905歳)
↓
ケナン(享年910歳)
↓
マハラエル(享年895歳)
↓
エレデ(享年962歳)
↓
エノク(行方不明/当時365歳)
↓
メトシェラ(享年969歳)
↓
レメク(享年777年)
↓
ノア
レメクは息子にノアと名付けて、
「主がこの地を呪われたので私たちは苦労しているが、この子は私たちに慰めを与えてくれるだろう。」
と言いました。
ノアはセム、ハム、ヤペテという3人の子供を生みました。
~~~~~~~~~~~~~~~
この章は、ほとんどセツの子孫の説明です。セツ以降のアダムの血筋がどうなったのか、教えてくれてます。
ケナン(悲哀)
マハラエル(聖なる神)
エレデ(下りて来る)
エノク(捧げる、始まる)
メトシェラ(死をもたらす)
レメク(悲しみ、絶望、王、征服者)
ノア(平安をもたらす、安らぎ)
どうやら、今度はうまく神様に忠実な子孫たちが育っていったようです。
けれども、ここに挙げられた人々の他にも人間はガンガン生まれまして、その人たちはあんまり良い人間ではなかったようです。
エノクの町も変わらず繁栄してたでしょう。
セツの子孫であるアダムの子供たちは、神様に祈りながらも過酷な時代を生きていったことが想像できます。
セツの7代目の子孫であるエノクは、カインの息子のエノクとは別人です。神と共に歩み、《捧げる》の名前通り、神に取られたために地上から居なくなりました。
彼は後に『エノク書』の主人公になり、最終的には天使メタトロンになりますが、ここでは割愛します。またの機会のときにがっつり掘り下げたいものです。
(ちなみにPS3のゲーム『エルシャダイ』の主人公イーノックはこのエノクがモチーフになっています。「そんな装備で大丈夫か?」)
エノクの息子メトシェラという名前の「メト」は「死、死者」を意味します。「シェラ」は「シャーラハ」で「送る」という意味です。つまり「メトシェラ」とは「彼の死後に送られる」という意味です。
なんでこんな名前なのか。
一説では、《メトシェラが死んだあとに何かがやってくる》という意味が込められていたといいます。何が来るかは、次の章に書いてあります。
エノクは神に忠実な人でした。
息子が死んだ後に起こることを、あらかじめ啓示されていたと思われます。
メトシェラは187歳のときに子供を作ります。その子供はレメク。…また出ました、この名前。もちろんエノクの町の長レメクとは別人ですが、ちょっと不吉ですね。メトシェラは力に固執して征服者になってしまったのか、あるいは現世に絶望してしまったのか。
大きくなったレメクは自分の子供に《ノア》と名付けます。平安をもたらす者、安らぎを与える者であれ、という意味です。
この名前を付けるに当たり、レメクは
「主が土の呪いをかけたせいで私らは苦労してるけど、この子が安らぎを与えてくれるだろう」
と言っております。
うーん、神に怨み言を言うあたり、どうやらこのレメクもカインの子孫のレメクと大差なさそうです。これも因縁か、死んだのは777歳…。かつてカインの血筋のレメクが「カインを殺せば7倍の報復、レメクなら77倍」と言っていた高慢のしっぺ返しが来たようで、他の子孫に比べてだいぶ早逝です。(それでもすごく長寿ですが)
さて、アダムから数えて10代目の子孫であるノアが、次の章からの主人公になります。
○第六章
人が地上に増えると、神の子たちは人の娘が美しいのを見て、自分たちの妻にしました。
主は「私の霊は永久には人の中に留まらない。人は肉に過ぎないから。だから人の年齢は120歳までにしよう。」と言いました。
神の子たちと人の娘の間に子供ができた頃から、その後にも《ネフィリム》が地上にいました。これらは昔の勇士で、名のある者たちでした。
主は、地上に人の悪が増えるのを見て人を作ったことを悔やみました。
「わたしが創造した人を地上から消し去ろう。人も家畜も這うもの(虫とか)も鳥も一緒に消しちゃおう。こんなん作らなきゃよかった。」
でも、ノアだけは主のお気に入りでした。
ノアは正しい人で、こんな時代でも神と共にありました。
神はノアに言いました。
「今から地上ごとすべての生き物を滅ぼすよ。だからゴフェルの木で箱船作って、外側と内側に木のヤニを塗りなさいね。
大きさは長さ300キュビト、幅50キュビト、高さ30キュビトで、天井から1キュビト以内に天窓付けて、3階建てで3つのデッキを付けてね。
これから大洪水を起こすけど、あなたとは契約を結んであげるよ。
その船に、家族全員と全ての生き物のつがいを乗せて、食糧も積んでおいてね。」
ノアは言われたとおりにしました。
~~~~~~~~~~~~~
はい、これまた有名な《ノアの方舟》の物語です。
メトシェラが死んだあとに来るものとは、神の裁き…大洪水だというわけでした。
つまり彼が生きてる間は、大洪水の執行猶予期間だよ、という意味が込められていたといいます。
メトシェラが生きている間に、息子のレメクは182歳のときに息子のノアを生みます。そのノアが500歳になったときセム、ハム、ヤペテという名前の息子たちを生みます。
そしてノアが600歳の時に、大洪水による神の裁きが起こります。
メトシェラの生涯は969年…
187(レメクが生まれたメトシェラの歳)
+
182(ノアが生まれた時のレメクの歳)
+
600(大洪水が起こったときのノアの歳)
=
969
メトシェラの死と大洪水による神のさばきは同じ年に起こっています。
アダム夫妻とカインに続き、人間に裏切られ続けた神様はついにここに来てぶちギレました。
執行猶予を969年も与えたのに、人間たちはどんどん自分の理想とかけ離れていく。
慈悲深く我慢強いといっても限度があります。
更に、神が頭の悩ましていたもうひとつの要因が《ネフィリム》の存在でした。
ネフィリム…《落ちてきた者たち、打ち倒す者たち》は、後に語られますが巨人の種と言われています。かつては名のある勇士たちだったそうな。
…ところで、この《神の子》とは誰のことでしょう?
これについてはいまだに様々な説がありまして、答えがありません。
エノク書では、《神の子》は堕天した天使であるとしています。天使と人間のハーフが、ネフィリムだということですね。
ただ、この時点では天使という言葉はまだ一度も本書に出てきてません。エノク書は紀元前1、2世紀頃に書かれたといいます。考えてみたら後世に書かれたそういう偽典も言ってしまえば二次創作なんですよねえ。
説によっては、ここでの《神の子》はセツなどを筆頭にした《神と共に歩む人間たち》だとする人もいます。
ただしそれだと、普通に人と人の子供なので巨人になるとは考えにくい。
…ちょっとこんがらがってきたので、ここでネフィリムについて本書に書いてあることだけまとめてみましょう。
○《神の子》は人間の女の美しさに惹かれ、自分たちの妻にした
○この頃に神は人の寿命を120年にした
○彼らに子供ができた頃、地上にはネフィリムがいた。その後にも存在する
○《ネフィリム》という名の意味は打ち倒す者、天から落ちてきた者、堕落した者
○ネフィリムは、かつては名のある勇士だった
登場人物は
・神
・神の子
・ネフィリム
・人間
本文をそのまま読むと、神の子と人間の女の子供たち=ネフィリムと明記されているわけではありません。
●神の子×人間の女≠ネフィリム
そして今のところ、実は神には子供がいました、という展開もありません。
ただし、神サイドには主以外にも主と同族の存在があったんじゃないかなーと私は思いました。神はひとりじゃない?
「さあ人を造ろう。《われわれ》のかたちとして、《われわれ》に似せて。」(第1章より)
「見よ。人は《われわれのひとり》のようになり、善悪を知るようになった」(第3章より)
神は一度も人間に対して「我が子」とは呼んでいません。
ただ、いつも人間に対しては「あなた」と呼んでいて、丁寧に扱っているのがわかります。
でもそのわりには、「人は肉にすぎない」と言ってます。人はあくまで神のかたちの人形ということでしょうか。
「わたしの霊は、永久には人のうちにとどまらないであろう。それは人が肉にすぎないからだ。それで人の齢は120年にしよう」(第6章より)
《霊》という言葉は、第1章の一番最初の方にも出てきてました。まだ地上になんにも無いときに、水の上を神の霊が動いていたといいます。人間は、塵で作った身体に神の息と一緒にこの《霊》を吹き込まれて生まれた、とされているわけです。
つまり、
●アダムの血筋の人たちも人間である
●ただし、聖書に名前が上がっている人物以外は《その他大勢の人》として扱っていて、アダムの息子セツの血筋は特別視されている
このお話を語り継いでいた人たちは、当然「自分達は神様から選ばれた特別な人間なんだよ」ということを言いたいわけですから、神に作られたアダムの血筋の人間を《神の子》と呼んでもおかしくないですね。
エバがカインを産んだとき、「私は、主によってひとりの男子を得た」と言いました。
実際はアダムとの間にできた子ですが、《子は天からの授かり物》といいますから、まあ不自然じゃないでしょう。
●神の子=アダムの直系
だとして、では《人の娘》とは誰か。
色々な説を見た中で一番納得いったのは、
●人の娘=カインの血筋の人間の女
カインが作ったエノクの町がどれほど繁栄したかは書かれていませんが、相当力を持った国になっていたでしょう。
既にアダムが生まれてから1656年経っています。カインのアベル殺しに失望してセツを生んだのがアダム130歳の時ですので、それを差し引いて1526年…。文明がひとつ生まれるには十分な時間です。
ちなみに前回、シュメール文明のウバイド期(紀元前5500~3500年)からウルク期(紀元前4000年)の話を書きましたが
この《シュメール人》も巨人という説があるんですよねえ。
まあ、この時点では聖書本文に「ネフィリムが巨人だ」とは書いていないので、巨人の概念は抜きにして考えてみます。
シュメール人は、最古の《文明》を築いた民として痕跡は残っておりますが、シュメール人の地理的な起源がどこなのかを正確に決定することは難しいと言われています。
●シュメール人=ネフィリム
としたらどうか?
アダムとイブの話もそうですけれども、聖書はお話の逸話をシュメール神話から取ってきていることがとても多いのです。これから起こる大洪水も、元はシュメール神話から取られた話と思われます。
私はむしろ、新しい宗教を樹立するにあたり昔から語り継がれてきた民話をパロディ化して作った話だと思っていますが。
一部のオカルトファンの間では、
ネフィリム=アヌンナキ(シュメール神話の神々)=シュメール人
という《古代宇宙飛行士説》が囁かれていますが
私はこれもアリだと思っているんですね(笑)
となると、ネフィリムがかつて人間を作った神々か、あるいはその末裔か…ということになるんですけど
そうなるとアヌンナキたちは奴隷として作った人類と一緒に、自分の同族まで滅ぼすことになってしまいます。
それはどうにもあんまりだと思いまして、
①神の子=セツの子孫たち
②人の娘=カインの子孫の女たち
とした場合
③ネフィリム=シュメールより前に住んでいたウバイド人をはじめとする先住民←NEW!
ではいかがでしょう?
《ネフィリム》という名前の、『落ちてくる者』でなくて『打ち倒す者』の方の意味を取ってみました。
シュメールが「現代の形の人間」を遺伝子操作で作った人たちの末裔か、作られた人間たちだったら、元から地球に住んでた先住民は『倒すべき者』ですものね。
ウバイド人だって、泥で大きな建物を作ったり神殿を建てて神を崇めたり、当時としてはなかなか高度な文化を持っていたのですよ。紀元前5500年から3500年までの約2000年間、文明を築いてきた《昔の勇士、名のある者たち》だったと言えましょう。
恐竜が生きていた時代を共に生き、重力の変化に対応すべく小型化の道を選んだ『地球古来の人間』はウバイド人たち及びその祖先の巨人たちだったんではないかとひそかに考えたりしている今日この頃です。
でもシュメールの高度な文化には敵わなかった。
シュメール人は自らを「ウンサンギガ」(「混ぜ合わされた者」の意)と呼び、自分達の住む土地を「キエンギ」(「君主たちの地」の意)と呼んでいたそうです。
人工的に生み出され、この星を牛耳るよう、何者かから定められて生まれた存在…。
…だとすると、『神の子』はむしろシュメール人を作った側の人々とも考えられますね!
《古代宇宙飛行士説》では、人間を作ったのは惑星ニビルの民と言われています。
①神の子=人間を作った何者かα(一部)
②人の娘=シュメールの女
③ネフィリム=先住民ウバイド
④神=人間を作った何者か(多数)
と考えたら。面白いんでないかなー。あくまで妄想ですよ。
私自身は惑星ニビルの存在を信じてるわけじゃありませんが、人間は何かに作られたのだろうな、とは思っていますので…。コレに関しては未来人説やら宇宙人説やら色々あって本当に面白い。
ちなみにウルトラマンでもこういう表現が時々使われてて、ウルトラマン奥が深いなあと思うのでした。
あと、神様が今更人間の歳を120年に決めたことについてですが
このあとに出てくるアダムの直系の子孫たちは、この120年という縛りをガン無視して、まだまだ長寿の人々が続きます。(少しずつ寿命短くなってはきますが)
可能性としては
●年齢操作のための遺伝子改造を始めたのがこの頃からで、寿命短縮効果が出るのがだいぶ後である(段々効果が出てくる)
●このあとの洪水による紫外線照射量の変化などにより少しずつ寿命が短くなることを示唆
など、色々考えられます。シュメール王名表では古い王ほど長寿で、大洪水以前の人類最初の王アルリムは28800年間在位したとありますので、昔は人間も本当に長生きだったのではあるまいか。流石にこれは長すぎなので、別の数えかたがあるのかもしれませんが。
ある説では、これは3600を1とするシュメールの数えかたの値であって、現代の年数に直すと28800=8年になるのではないかと言われております。
…さて、ネフィリムの話がずいぶん長くなってしまいました。続きいきましょう。
ネフィリムが何であれ、悪行をなす人間たちと同じくらい神にとって厄介な存在だったことに変わりはありますまい。
とにもかくにも神は全てを滅ぼすことに決めてしまいました。
人間アダムを作ってから1656年目の、一大決心でした。
ただし、アダムの血族のひとりであったノアだけは神が望んだ通りの人間で「その時代にあっても全き人」でした。
「世紀末ヒャッハーーーー!!」な時代でも、心清く正しい男だったわけです。
神様は
「長さ300キュビト、幅50キュビト、高さ30キュビトの三階建て・天窓&テラス付きのゴフェルの木製の舟」
を作るようにノアに命じました。「ゴフェルの木」は、聖書の中でもここでしか使われていない名前で、何の木なのかは未だに分かっておりません。
キュビトというのは「肘」という意味で、肘から中指の先までの間の長さに由来する身体尺です。
43~53センチと言われておりますが、その時代の王の腕の長さがすなわち1キュビトになったということです。
仮に1キュビト=50センチだとして
長さ150メートル×幅25メートル×高さ15メートル=56250立方メートル
大体50メートルプール22.5杯分の広さです。
その舟に、ノア&ノアの妻&ノアの息子&息子の妻&全ての生き物のつがいを乗せなさい、と言ったわけです。
ここで初めて、『契約』という言葉が出てきます。
契約ということは、
「○○をしてもらうかわりに△△ をします」
「○○をしてもらう報酬として△△をあげます」
など、等価交換でのやりとりがなされているということです。
親と子のようだったアダムと神の関係から、だいぶ人間と神の関係性が変わったことが伺えます。
ヨーロッパが契約社会なのは勿論キリスト教の発展によってヨーロッパの国々が成り立ったからに他なりませんが、そういう意味でいくとこの一文から全てが始まったと言っても良いでしょう。
このあとも『契約』という言葉は何回も聖書に登場することになります。そもそも聖書の内容を簡潔に表すなら「神と人間の契約について記した本」ですので、この『契約』というのが色々鍵になってくるわけです。
ここで神様がノアに持ちかけた契約は
「私に忠実であるならば、君と君の家族は助けてあげるよ」
という内容です。ノアは言われた通りにしました。
もしも神に不信の念を抱いていたら、いきなり「50メートルプール22杯分の大きさの舟を作れ」と言われて「はい、作ります」と即答出来ないですね。
そんなデカイものを作るには、お金も人手もかかったでしょう。全財産投げ打ったかもしれません。
時代は「世紀末ヒャッハーーーー!!」状態ですから、きっと協力してくれる人も少なかったでしょう。手伝ってくれたのは家族だけだった可能性もあります。
姿の見えない神の声に従って、身銭を切ってひとり巨大な舟を黙々と作る男…悪意ある人間ばかりいたという当時、ノアは彼らからどんな目で見られていたでしょう。
気が触れたと思われても不思議はありません。社会的に爪弾きにされて孤立して、経済的にも相当厳しくなったはずです。
それでもノアは神を疑いませんでした。
それこそ神様が望んだ人間の姿なのでしょう。愚直に神を信じて、言われた通りに行動する。
ニビルの民がシュメール(混ぜ合わされたもの)を『労働力』として作ったという説を思うと、それも納得がいきます。
裏を返せば「自分で考えるな」ということにもなりますが。
とにもかくにも、人間のノアと神様の間で契約が成立しました。
このあと起こる洪水については、次の章から詳しく説明されています。
ひとまず今回はここで区切ることに致しましょう。
今回の楽曲は、ベンジャミン・ブリテン作曲のオペラ《ノアの洪水》
https://youtu.be/ughJeJ4LJD0
※この記事の内容は、キリスト教徒でもユダヤ教徒でもイスラム教徒でもプロの考古学者でもないただの一般日本人が、聖書を読んで楽しんでいるだけです。
気になったことは本を読んだりネットで情報を拾ったりしていますが、あくまで一般人が手に入れられる範囲です。
多大なる妄想を含んでいます。本気にしないでください。
そんなわけで前回の続きからいきます。
○第五章
これはアダムの歴史の記録です。
アダム(享年930歳)
↓
セツ(享年912歳)
↓
エノシュ(享年905歳)
↓
ケナン(享年910歳)
↓
マハラエル(享年895歳)
↓
エレデ(享年962歳)
↓
エノク(行方不明/当時365歳)
↓
メトシェラ(享年969歳)
↓
レメク(享年777年)
↓
ノア
レメクは息子にノアと名付けて、
「主がこの地を呪われたので私たちは苦労しているが、この子は私たちに慰めを与えてくれるだろう。」
と言いました。
ノアはセム、ハム、ヤペテという3人の子供を生みました。
~~~~~~~~~~~~~~~
この章は、ほとんどセツの子孫の説明です。セツ以降のアダムの血筋がどうなったのか、教えてくれてます。
ケナン(悲哀)
マハラエル(聖なる神)
エレデ(下りて来る)
エノク(捧げる、始まる)
メトシェラ(死をもたらす)
レメク(悲しみ、絶望、王、征服者)
ノア(平安をもたらす、安らぎ)
どうやら、今度はうまく神様に忠実な子孫たちが育っていったようです。
けれども、ここに挙げられた人々の他にも人間はガンガン生まれまして、その人たちはあんまり良い人間ではなかったようです。
エノクの町も変わらず繁栄してたでしょう。
セツの子孫であるアダムの子供たちは、神様に祈りながらも過酷な時代を生きていったことが想像できます。
セツの7代目の子孫であるエノクは、カインの息子のエノクとは別人です。神と共に歩み、《捧げる》の名前通り、神に取られたために地上から居なくなりました。
彼は後に『エノク書』の主人公になり、最終的には天使メタトロンになりますが、ここでは割愛します。またの機会のときにがっつり掘り下げたいものです。
(ちなみにPS3のゲーム『エルシャダイ』の主人公イーノックはこのエノクがモチーフになっています。「そんな装備で大丈夫か?」)
エノクの息子メトシェラという名前の「メト」は「死、死者」を意味します。「シェラ」は「シャーラハ」で「送る」という意味です。つまり「メトシェラ」とは「彼の死後に送られる」という意味です。
なんでこんな名前なのか。
一説では、《メトシェラが死んだあとに何かがやってくる》という意味が込められていたといいます。何が来るかは、次の章に書いてあります。
エノクは神に忠実な人でした。
息子が死んだ後に起こることを、あらかじめ啓示されていたと思われます。
メトシェラは187歳のときに子供を作ります。その子供はレメク。…また出ました、この名前。もちろんエノクの町の長レメクとは別人ですが、ちょっと不吉ですね。メトシェラは力に固執して征服者になってしまったのか、あるいは現世に絶望してしまったのか。
大きくなったレメクは自分の子供に《ノア》と名付けます。平安をもたらす者、安らぎを与える者であれ、という意味です。
この名前を付けるに当たり、レメクは
「主が土の呪いをかけたせいで私らは苦労してるけど、この子が安らぎを与えてくれるだろう」
と言っております。
うーん、神に怨み言を言うあたり、どうやらこのレメクもカインの子孫のレメクと大差なさそうです。これも因縁か、死んだのは777歳…。かつてカインの血筋のレメクが「カインを殺せば7倍の報復、レメクなら77倍」と言っていた高慢のしっぺ返しが来たようで、他の子孫に比べてだいぶ早逝です。(それでもすごく長寿ですが)
さて、アダムから数えて10代目の子孫であるノアが、次の章からの主人公になります。
○第六章
人が地上に増えると、神の子たちは人の娘が美しいのを見て、自分たちの妻にしました。
主は「私の霊は永久には人の中に留まらない。人は肉に過ぎないから。だから人の年齢は120歳までにしよう。」と言いました。
神の子たちと人の娘の間に子供ができた頃から、その後にも《ネフィリム》が地上にいました。これらは昔の勇士で、名のある者たちでした。
主は、地上に人の悪が増えるのを見て人を作ったことを悔やみました。
「わたしが創造した人を地上から消し去ろう。人も家畜も這うもの(虫とか)も鳥も一緒に消しちゃおう。こんなん作らなきゃよかった。」
でも、ノアだけは主のお気に入りでした。
ノアは正しい人で、こんな時代でも神と共にありました。
神はノアに言いました。
「今から地上ごとすべての生き物を滅ぼすよ。だからゴフェルの木で箱船作って、外側と内側に木のヤニを塗りなさいね。
大きさは長さ300キュビト、幅50キュビト、高さ30キュビトで、天井から1キュビト以内に天窓付けて、3階建てで3つのデッキを付けてね。
これから大洪水を起こすけど、あなたとは契約を結んであげるよ。
その船に、家族全員と全ての生き物のつがいを乗せて、食糧も積んでおいてね。」
ノアは言われたとおりにしました。
~~~~~~~~~~~~~
はい、これまた有名な《ノアの方舟》の物語です。
メトシェラが死んだあとに来るものとは、神の裁き…大洪水だというわけでした。
つまり彼が生きてる間は、大洪水の執行猶予期間だよ、という意味が込められていたといいます。
メトシェラが生きている間に、息子のレメクは182歳のときに息子のノアを生みます。そのノアが500歳になったときセム、ハム、ヤペテという名前の息子たちを生みます。
そしてノアが600歳の時に、大洪水による神の裁きが起こります。
メトシェラの生涯は969年…
187(レメクが生まれたメトシェラの歳)
+
182(ノアが生まれた時のレメクの歳)
+
600(大洪水が起こったときのノアの歳)
=
969
メトシェラの死と大洪水による神のさばきは同じ年に起こっています。
アダム夫妻とカインに続き、人間に裏切られ続けた神様はついにここに来てぶちギレました。
執行猶予を969年も与えたのに、人間たちはどんどん自分の理想とかけ離れていく。
慈悲深く我慢強いといっても限度があります。
更に、神が頭の悩ましていたもうひとつの要因が《ネフィリム》の存在でした。
ネフィリム…《落ちてきた者たち、打ち倒す者たち》は、後に語られますが巨人の種と言われています。かつては名のある勇士たちだったそうな。
…ところで、この《神の子》とは誰のことでしょう?
これについてはいまだに様々な説がありまして、答えがありません。
エノク書では、《神の子》は堕天した天使であるとしています。天使と人間のハーフが、ネフィリムだということですね。
ただ、この時点では天使という言葉はまだ一度も本書に出てきてません。エノク書は紀元前1、2世紀頃に書かれたといいます。考えてみたら後世に書かれたそういう偽典も言ってしまえば二次創作なんですよねえ。
説によっては、ここでの《神の子》はセツなどを筆頭にした《神と共に歩む人間たち》だとする人もいます。
ただしそれだと、普通に人と人の子供なので巨人になるとは考えにくい。
…ちょっとこんがらがってきたので、ここでネフィリムについて本書に書いてあることだけまとめてみましょう。
○《神の子》は人間の女の美しさに惹かれ、自分たちの妻にした
○この頃に神は人の寿命を120年にした
○彼らに子供ができた頃、地上にはネフィリムがいた。その後にも存在する
○《ネフィリム》という名の意味は打ち倒す者、天から落ちてきた者、堕落した者
○ネフィリムは、かつては名のある勇士だった
登場人物は
・神
・神の子
・ネフィリム
・人間
本文をそのまま読むと、神の子と人間の女の子供たち=ネフィリムと明記されているわけではありません。
●神の子×人間の女≠ネフィリム
そして今のところ、実は神には子供がいました、という展開もありません。
ただし、神サイドには主以外にも主と同族の存在があったんじゃないかなーと私は思いました。神はひとりじゃない?
「さあ人を造ろう。《われわれ》のかたちとして、《われわれ》に似せて。」(第1章より)
「見よ。人は《われわれのひとり》のようになり、善悪を知るようになった」(第3章より)
神は一度も人間に対して「我が子」とは呼んでいません。
ただ、いつも人間に対しては「あなた」と呼んでいて、丁寧に扱っているのがわかります。
でもそのわりには、「人は肉にすぎない」と言ってます。人はあくまで神のかたちの人形ということでしょうか。
「わたしの霊は、永久には人のうちにとどまらないであろう。それは人が肉にすぎないからだ。それで人の齢は120年にしよう」(第6章より)
《霊》という言葉は、第1章の一番最初の方にも出てきてました。まだ地上になんにも無いときに、水の上を神の霊が動いていたといいます。人間は、塵で作った身体に神の息と一緒にこの《霊》を吹き込まれて生まれた、とされているわけです。
つまり、
●アダムの血筋の人たちも人間である
●ただし、聖書に名前が上がっている人物以外は《その他大勢の人》として扱っていて、アダムの息子セツの血筋は特別視されている
このお話を語り継いでいた人たちは、当然「自分達は神様から選ばれた特別な人間なんだよ」ということを言いたいわけですから、神に作られたアダムの血筋の人間を《神の子》と呼んでもおかしくないですね。
エバがカインを産んだとき、「私は、主によってひとりの男子を得た」と言いました。
実際はアダムとの間にできた子ですが、《子は天からの授かり物》といいますから、まあ不自然じゃないでしょう。
●神の子=アダムの直系
だとして、では《人の娘》とは誰か。
色々な説を見た中で一番納得いったのは、
●人の娘=カインの血筋の人間の女
カインが作ったエノクの町がどれほど繁栄したかは書かれていませんが、相当力を持った国になっていたでしょう。
既にアダムが生まれてから1656年経っています。カインのアベル殺しに失望してセツを生んだのがアダム130歳の時ですので、それを差し引いて1526年…。文明がひとつ生まれるには十分な時間です。
ちなみに前回、シュメール文明のウバイド期(紀元前5500~3500年)からウルク期(紀元前4000年)の話を書きましたが
この《シュメール人》も巨人という説があるんですよねえ。
まあ、この時点では聖書本文に「ネフィリムが巨人だ」とは書いていないので、巨人の概念は抜きにして考えてみます。
シュメール人は、最古の《文明》を築いた民として痕跡は残っておりますが、シュメール人の地理的な起源がどこなのかを正確に決定することは難しいと言われています。
●シュメール人=ネフィリム
としたらどうか?
アダムとイブの話もそうですけれども、聖書はお話の逸話をシュメール神話から取ってきていることがとても多いのです。これから起こる大洪水も、元はシュメール神話から取られた話と思われます。
私はむしろ、新しい宗教を樹立するにあたり昔から語り継がれてきた民話をパロディ化して作った話だと思っていますが。
一部のオカルトファンの間では、
ネフィリム=アヌンナキ(シュメール神話の神々)=シュメール人
という《古代宇宙飛行士説》が囁かれていますが
私はこれもアリだと思っているんですね(笑)
となると、ネフィリムがかつて人間を作った神々か、あるいはその末裔か…ということになるんですけど
そうなるとアヌンナキたちは奴隷として作った人類と一緒に、自分の同族まで滅ぼすことになってしまいます。
それはどうにもあんまりだと思いまして、
①神の子=セツの子孫たち
②人の娘=カインの子孫の女たち
とした場合
③ネフィリム=シュメールより前に住んでいたウバイド人をはじめとする先住民←NEW!
ではいかがでしょう?
《ネフィリム》という名前の、『落ちてくる者』でなくて『打ち倒す者』の方の意味を取ってみました。
シュメールが「現代の形の人間」を遺伝子操作で作った人たちの末裔か、作られた人間たちだったら、元から地球に住んでた先住民は『倒すべき者』ですものね。
ウバイド人だって、泥で大きな建物を作ったり神殿を建てて神を崇めたり、当時としてはなかなか高度な文化を持っていたのですよ。紀元前5500年から3500年までの約2000年間、文明を築いてきた《昔の勇士、名のある者たち》だったと言えましょう。
恐竜が生きていた時代を共に生き、重力の変化に対応すべく小型化の道を選んだ『地球古来の人間』はウバイド人たち及びその祖先の巨人たちだったんではないかとひそかに考えたりしている今日この頃です。
でもシュメールの高度な文化には敵わなかった。
シュメール人は自らを「ウンサンギガ」(「混ぜ合わされた者」の意)と呼び、自分達の住む土地を「キエンギ」(「君主たちの地」の意)と呼んでいたそうです。
人工的に生み出され、この星を牛耳るよう、何者かから定められて生まれた存在…。
…だとすると、『神の子』はむしろシュメール人を作った側の人々とも考えられますね!
《古代宇宙飛行士説》では、人間を作ったのは惑星ニビルの民と言われています。
①神の子=人間を作った何者かα(一部)
②人の娘=シュメールの女
③ネフィリム=先住民ウバイド
④神=人間を作った何者か(多数)
と考えたら。面白いんでないかなー。あくまで妄想ですよ。
私自身は惑星ニビルの存在を信じてるわけじゃありませんが、人間は何かに作られたのだろうな、とは思っていますので…。コレに関しては未来人説やら宇宙人説やら色々あって本当に面白い。
ちなみにウルトラマンでもこういう表現が時々使われてて、ウルトラマン奥が深いなあと思うのでした。
あと、神様が今更人間の歳を120年に決めたことについてですが
このあとに出てくるアダムの直系の子孫たちは、この120年という縛りをガン無視して、まだまだ長寿の人々が続きます。(少しずつ寿命短くなってはきますが)
可能性としては
●年齢操作のための遺伝子改造を始めたのがこの頃からで、寿命短縮効果が出るのがだいぶ後である(段々効果が出てくる)
●このあとの洪水による紫外線照射量の変化などにより少しずつ寿命が短くなることを示唆
など、色々考えられます。シュメール王名表では古い王ほど長寿で、大洪水以前の人類最初の王アルリムは28800年間在位したとありますので、昔は人間も本当に長生きだったのではあるまいか。流石にこれは長すぎなので、別の数えかたがあるのかもしれませんが。
ある説では、これは3600を1とするシュメールの数えかたの値であって、現代の年数に直すと28800=8年になるのではないかと言われております。
…さて、ネフィリムの話がずいぶん長くなってしまいました。続きいきましょう。
ネフィリムが何であれ、悪行をなす人間たちと同じくらい神にとって厄介な存在だったことに変わりはありますまい。
とにもかくにも神は全てを滅ぼすことに決めてしまいました。
人間アダムを作ってから1656年目の、一大決心でした。
ただし、アダムの血族のひとりであったノアだけは神が望んだ通りの人間で「その時代にあっても全き人」でした。
「世紀末ヒャッハーーーー!!」な時代でも、心清く正しい男だったわけです。
神様は
「長さ300キュビト、幅50キュビト、高さ30キュビトの三階建て・天窓&テラス付きのゴフェルの木製の舟」
を作るようにノアに命じました。「ゴフェルの木」は、聖書の中でもここでしか使われていない名前で、何の木なのかは未だに分かっておりません。
キュビトというのは「肘」という意味で、肘から中指の先までの間の長さに由来する身体尺です。
43~53センチと言われておりますが、その時代の王の腕の長さがすなわち1キュビトになったということです。
仮に1キュビト=50センチだとして
長さ150メートル×幅25メートル×高さ15メートル=56250立方メートル
大体50メートルプール22.5杯分の広さです。
その舟に、ノア&ノアの妻&ノアの息子&息子の妻&全ての生き物のつがいを乗せなさい、と言ったわけです。
ここで初めて、『契約』という言葉が出てきます。
契約ということは、
「○○をしてもらうかわりに△△ をします」
「○○をしてもらう報酬として△△をあげます」
など、等価交換でのやりとりがなされているということです。
親と子のようだったアダムと神の関係から、だいぶ人間と神の関係性が変わったことが伺えます。
ヨーロッパが契約社会なのは勿論キリスト教の発展によってヨーロッパの国々が成り立ったからに他なりませんが、そういう意味でいくとこの一文から全てが始まったと言っても良いでしょう。
このあとも『契約』という言葉は何回も聖書に登場することになります。そもそも聖書の内容を簡潔に表すなら「神と人間の契約について記した本」ですので、この『契約』というのが色々鍵になってくるわけです。
ここで神様がノアに持ちかけた契約は
「私に忠実であるならば、君と君の家族は助けてあげるよ」
という内容です。ノアは言われた通りにしました。
もしも神に不信の念を抱いていたら、いきなり「50メートルプール22杯分の大きさの舟を作れ」と言われて「はい、作ります」と即答出来ないですね。
そんなデカイものを作るには、お金も人手もかかったでしょう。全財産投げ打ったかもしれません。
時代は「世紀末ヒャッハーーーー!!」状態ですから、きっと協力してくれる人も少なかったでしょう。手伝ってくれたのは家族だけだった可能性もあります。
姿の見えない神の声に従って、身銭を切ってひとり巨大な舟を黙々と作る男…悪意ある人間ばかりいたという当時、ノアは彼らからどんな目で見られていたでしょう。
気が触れたと思われても不思議はありません。社会的に爪弾きにされて孤立して、経済的にも相当厳しくなったはずです。
それでもノアは神を疑いませんでした。
それこそ神様が望んだ人間の姿なのでしょう。愚直に神を信じて、言われた通りに行動する。
ニビルの民がシュメール(混ぜ合わされたもの)を『労働力』として作ったという説を思うと、それも納得がいきます。
裏を返せば「自分で考えるな」ということにもなりますが。
とにもかくにも、人間のノアと神様の間で契約が成立しました。
このあと起こる洪水については、次の章から詳しく説明されています。
ひとまず今回はここで区切ることに致しましょう。
今回の楽曲は、ベンジャミン・ブリテン作曲のオペラ《ノアの洪水》
https://youtu.be/ughJeJ4LJD0
PR
この記事にコメントする