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音楽とお酒と歴史探索が趣味です。色々書きなぐってます。
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  プロフィール
HN:
赤澤 舞
性別:
女性
職業:
飲食店店員
趣味:
お菓子作ったりピアノ弾いたり本読んだり絵描いたり
自己紹介:
東京・神奈川・埼玉あたりでちょこまか歌 を歌っております。

一応声種はソプラノらしいですが、自分は あんまりこだわってません(笑) 要望があればメッツォもアルトもやりま すヽ(^。^)丿

音楽とお酒と猫を愛してます(*´▽`*) 美味しいものには目がありません。

レトロゲームや特撮も好物です。

ヴァイオリンは好きだけど弾けませんorz
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2025/05/12 (Mon)
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2018/10/21 (Sun)
こんにちは。
まだまだ続いておりますこの企画。少しずつですが頑張って続けていきますよ。

※キリスト教徒でもユダヤ教徒でもイスラム教徒でもプロの考古学者でもないただの一般日本人が、聖書を読んで楽しんでいるだけです。
気になったことは本を読んだりネットで情報を拾ったりしていますが、あくまで一般人が手に入れられる範囲です。
多大なる妄想を含んでいます。本気にしないでください。


○第十三章

というわけで、アブラムはエジプトを出てネゲブに行きました。妻と、すべての持ち物と、ロトも一緒でした。
アブラムは家畜と金や銀をたくさん持っていました。
彼はネゲブから旅を続けて、ベテルとアイの間の、最初に天幕を張った所に行きました。つまり彼が祭壇を築いたところで、そこでアブラムは主の名を呼びました。
アブラムと一緒だったロトも羊や牛の群れ、天幕を持っていました。彼らの持つ財産が多すぎたので、この土地は彼らが一緒に住むには狭すぎました。
そのうえ、アブラムの家畜の牧者たちとロトの家畜の牧者たちとの間に争いが起こりました。またその頃、カナン人とペリジ人がその地に住んでいました。
アブラムはロトに言いました。「わたしたちとあなたの間や、わたしの牧者たちとあなたの牧者たちの間に争いがないようにしましょう。わたしたちは身内なのだから。全地はあなたの前にあるではありませんか。どうかわたしと別れてください。あなたが左に行けばわたしは右に行きます。あなたが右に行けばわたしは左に行きましょう。」
ロトがヨルダンの低地全体を見渡すと、主がソドムとゴモラを滅ぼされる前だったので、ツォアル(ゾアル)まで主の園のように、またエジプトの地のように隅々までよく潤っていました。
そこでロトはヨルダンの低地全体を選びとって、そのあと東に移動しました。こうして彼らは互いに別れました。
アブラムはカナンの地に住みましたが、ロトは低地の町々に住んで、ソドムの近くまで天幕を張りました。
ところがソドムの人々はよこしまで、主に対して甚だしい罪人でした。
ロトがアブラムと別れたあと、主はアブラムに言いまし
た。「目をあげて、あなたのいる所から北と南、東と西をすべて見渡しなさい。
あなたが見渡す地を、永久にあなたとあなたの子孫に与えます。
わたしはあなたの子孫を地のちりのように多くします。もし人が地のちりを数えることができるなら、あなたの子孫も数えることができるでしょう。
立って、その地を縦や横に歩き回りなさい。わたしがあなたに、その地を与えるのだから。」
そこでアブラムは天幕を移して、ヘブロンにあるマムレの樫(テレビン)の木のかたわらに住み、そこで主に祭壇を築きました。


~~~~~~~~~~~~~~~~~~~

前回エジプトで《妻を妹ってことにしてエジプトで玉の輿大作戦!!》を失敗したアブラムは、またゲネブ砂漠に戻ってきました。そこから更にベテルとアイの間の、最初にキャンプしたスタート地点にやって来ました。
宗教的な解釈では、「信仰は一度失敗したら、最初に戻ってやり直すことで回復する」ということだそうです。
アブラムは神さまにカナンをあげるよと言われたのに、飢饉から逃れるために裕福な大国エジプトへ逃げました。生き物の本能としては、生き残るために居住区域を変えることは普通だと思うのですが、このお話の中での『敬虔な信徒』は神の導きが何より大切な生き物です。だから、家族や仲間が飢えて死のうが絶対にこの土地を離れるべきではなかったということです。
エデンで暮らすべく作られ、罰のために荒れ地に放りだされたアダムと同じことですね。
だから神さまに許してもらうために、アブラムはスタート地点の、以前作った祭壇でまたお祈りをしたわけです。このお話の中の人間たちは前提として【お仕置きの真っ最中】なわけなので。

さて、ファラオの王家に入ることはできなかったけど、エジプトではたくさんの財産を手に入れることができたアブラム。今や超金持ちです。
甥っ子のロトも、アブラムに負けず劣らず大量の家畜を手に入れていました。
ベテルとアイの間は3キロくらいの距離しかありません。どんだけたくさんの家畜を持ってたかは知りませんが、この土地には収まりきらなかったんですね。

土地の争いは、かなり昔からありました。人間の歴史が始まったと同時に始まったと言っても過言ではありません。アベルとカインのところで調べたように、古代メソポタミアでは遊牧民と農家が土地の取り合いで争っていたのです。それが遊牧民同士、尚且つ身内同士でも争うようになったわけです。
人口が増えれば、当然人が住む場所も多く必要になります。豊かな生活をしようと思ったら、もっと広々と必要になります。縄張りを守ろうとするのは動物も人間もおんなじですね。人間も動物なんですから当たり前ですが。

ともかく、アブラムとロト、二人がそれぞれ雇っている牧者…家畜の番をするために雇ったひとたちが、お互いに喧嘩をし出したというのです。
この狭い土地で、遊牧民たちはご主人さまから預かった大切な家畜の餌を確保しないといけません。生える草にも限りがあります。そうなると、お隣の同業者ほど憎たらしいものはありませんね。
ご主人さま同士が身内とか、そんなこと雇われてる人々には知ったこっちゃありません。

更に、前章でも書いてありましたように、ここには元々カナン人が住んでいましたが、この章に入ってから住民がまた増えました。ペリジ人、という人たちです。
ペリジ人については、なんかよく分かりませんでした。名前は似てるけどペリシテ人とは別の民族のようで、カナンの先住民族とのことです。

まあとにかく、当時のカナンにはふたつの先住民族が暮らしていたというわけで。カナン人の主要都市は紀元前3000年頃から出来はじめていましたから、アブラムたちのような後参者のための土地はとっても少なかったのです。

身内同士わずかな土地でいがみ合うことに堪えられなくなったアブラムは、あるときロトにこう持ちかけます。
「別行動しようよ。」
そしてロトに自分の行き先を決めさせ、自分はその逆を行くことにしました。

本来、族長であるアブラムが行き先を決め、それに甥のロトが従うのが普通です。
しかしアブラムは決定権をロトに与えました。
キリスト教的解釈では、ここでロトに選択権を与えたことでアブラムは『神の御心のままに』という姿勢をとったということです。なすがまま、他人の決定に身を委ねますよ、ということですね。
(…個人的には、責任逃れじゃねーか!と思わなくもない)


アブラムとロトの目の前には、ヨルダンの低地が広がっていました。飢餓にあえぐネゲブと違って、低地の方はかつてのエデンの園やエジプトのように豊かでした。
「主がソドムとゴモラを滅ぼされる前だったので」という壮大なネタバレの一文がありますが、ここでは敢えて触れずにおきましょう。
ツォアル(ゾアル)はヘブライ語では「小さな」または「重要ではない」という意味です。たぶん小さな町だったんでしょう。死海の近くのシディムの谷という所にあった町でした。ベラと呼ばれることもあるそうです。
とにかく、そこまで豊かな土地が続いていたということです。

当然、ロトは低地の方を選びました。生活かかってますからね。そして、従者や家畜たちを連れて東の方へ移動しました。そして町の近くを転々とし、ソドム( 死海東南部に存在する前期青銅器時代の都市遺跡バブ・エ・ドゥラー)の近くまで行って天幕を張ったということです。
このソドムという町は、なんかすごく悪い人間がたくさん住んでたみたいです。どんな風によこしまで罪人なのかは明記されてませんが、不穏ですね。


アブラムはその場を動かず、カナンの地に住み続けることを選びました。そんなアブラムに、主は語りかけました。
「そこから見える土地、全部永久に君と君の子孫にあげるわー。子孫もめっちゃ増やしてあげちゃう。地面のチリより多くしてあげるー。だから自由に歩き回ってええんやでー。」
そこでアブラムは移動して、ヘブロンという町にやって来ました。現在のパレスチナ自治区ヨルダン川西岸地区の、南端にある町です。(世界遺産のリストに登録されたそうです)
そこにある、マムレ(【肥太った】という意味があるらしい。一般に、ヘブロンの北約3kmにあるエ・ラーマト・エル・カリールとされている。ただしもっと西だという説もあり)という場所に生えていた樫の木(或いはテレビンの木)のそばに住んで、またも主のための祭壇を作ったということです。

豊かな土地を選ばず、神の命令通りにカナンに住んだアブラムを、ユダヤ教・キリスト教・イスラム教の皆さんは『唯一神が人類救済のために選んだ預言者』として篤く尊敬しているようです。


……もしもロトが逆を選んだらどうなってたのかは、この際突っ込みません(爆)


さて、今回はここまでです。

今回の楽曲はヨハン・セバスティアン・バッハ作曲

カンタータ第 10 番 "Meine Seel erhebt den Herren"
「私の魂は主をあがめ」 (BWV10)
https://youtu.be/w4Nyz50Onwo

です。
内容的には

「私マジ主をリスペクトしてる。主はめっちゃ色んなものをくれてほんと偉大。でも主を信じない傲慢なやつらには容赦しないんだよね。
神さまは憐れみを思い出して、神のしもべイスラエルを助けてくれるハズ。たぶん。遠い昔に父祖たちに約束してくれたことを、実現してくれたし。
つまり、アブラハムの子孫は海の砂のように増え、天の星のように広がり、その中から救い主が生まれて人々を誠の愛で救ってくださいました。
今までもこれからも、賛美と誉れが父と子と精霊にありますように。」

ってかんじです。
アブラハム(アブラム)は今日でも篤い信仰を集める聖人なんですねえ。

というわけで、続きはまた次回。

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